先月のことだが、ルノーディーラーでメガーヌエステートGT220に試乗してきた。
ほとんど走ってるのも見ないマイナー車だが、メガーヌエステートGT220はメガーヌRS同様ルノー・スポールが作るなかなかホットなモデルだ。
試乗車はグリ エクリプスメタリックというガンメタリックのような色で、7000kmほどの走行距離。
担当者がどうぞ好きに走ってきてくださいと言ってくれて、一人で小一時間ほど走り回った。
いつもの海沿いのコースを走って、駐車場でゆっくりと内外装を確認。
フロントはF1フィンがないけど、ヘッドライトまわりは最新のメガーヌRSと同じ意匠でかっこいい。
そして個人的に好きなのが(実はエステート好きなんです)リアビュー。
このクルマやはりかなり空力を考えているようで、リアのディフューザーも効果がありそう。
欧州のワゴン車はベースのセダンやハッチバックのオーバーハングをさわっただけのものが多いけど、このクルマはワゴン専用に設計しているとのことで、プロポーションはかなりステキだ。
スタイリッシュなデザインにもかかわらず、ラゲッジも深さ、容量とも十分。
インテリアは基本的にメガーヌRSと同じで、ステアリングやメーターパネル、シフトノブも全く同じ。
シートはレカロからルノーのクッションの厚いシートになるが、このシートすわり心地、ホールドとも非常によく個人的にはレカロより好み(ちなみにメガーヌRSの限定車モナコGTもこのシート形状)。
さて肝心のパワーユニットだがメガーヌRSと同じものをデチューンしたものだ。
スペックは最高出力 220馬力/ 5,500、最大トルク 34.7kg/ 2,400でメガーヌRSより45馬力と2kgのダウンスペック。
ただ、トルクは600回転低く最大トルクが出るので馬力差ほどのパワーダウンを感じることはなかった。
そしてこのエンジンを6MTで扱うのだけど、めちゃくちゃ乗りやすく、ものすごく速いクルマだった。
たぶんハンドリングに関しては数あるエステートの中では最高ではないかと思うくらいコーナリングが楽しい。
ほんと気持よく曲がり、ステアリングの補正を必要としない。
かなり気にいったけど、メガーヌRSの良さをに比べて気に入らない点がひとつだけあった。
それはハイパワーFFゆえのトルクステアだ。
もちろんかなり高次元でトルクステアはコントロールされているが、メガーヌRSにはLSDがついていたのでトルクステアを完璧にコントロールしていた。
あと、試乗車ということもあるがこのクルマのクラッチは少しジャダーがでていた。よほど下手に扱われたのかもしれないが、MTの試乗車上がりの中古車はちょっと気をつけなければいけないとも感じた。
そんなわけで、今ある3台のクルマから乗り換えるか?というと、いいクルマだがそこまでではなかったというのが正直な評価だった。
ただ、ドイツ車ばかり乗ってきた方には一度チャンスがあれば体験してもらいたい。
FFのフロントの接地感はおそらくドイツ車よりフランス車のほうがよく出来ていると思う。
リセールを考えずに10年乗り倒すとしたらいい選択です。