アルピナロードスターSを手放して、久しぶりにスポーツカーのことを考えてみました。
三連休の中日、完全にでおくれて道路の渋滞で出鼻をくじかれてしまってお天気がいいけどのんびりとした休日です。
ワンコと散歩にでかけて、BSでまとめて放送されていたワイルド・スピードをみたあと、PCでポルシェのカーコンフィグレーターでシュミレーションしてみました。
ベースは新しくターボになった718ボクスターの標準モデル、MTモデルで658万円也。
オプション合計で171.1万円、合計で829.1万円とずいぶん跳ね上がってしまいました。
ちなみに外装はこんな感じ。オプションのエクステリアカラーと、ロールバーを同色にして。
内装はフルレザーのツートン。あとはスポーツシートの一番安いやつ。
なかなかオシャレな組み合わせだと思います。
さてポルシェは1997年に911が歴代の空冷エンジンから996というコードネームから水冷になり、そしてこのボクスター(ケイマン)からついに4気筒ターボになりました。
ポルシェも今では完全にVWグループの一員で、多くの部品が共用されており、直噴化→ダウンサイジングターボ化という流れも本家の潮流と一致しています。
また個人的には直噴エンジンはターボを組み合わせてこそ本来のメリットがあると思うので、今回のダウンサイジングターボの流れはただしいと思っています。
そして、小排気量化でエンジン出力、トルクとも6気筒を上回るのでこの流れそのものを否定する理由もありません。
ただ、800万円を投じて終の車として受け入れるかどうか?ということに関してはやっぱりノーなんです。
もちろんポルシェは大好きですし、このボクスターもなかなかいいと思います。
でもね、空冷ポルシェに一度は乗った人間からすると今のポルシェの方向がどうも違うんです。
よく車談義をしたひとにはボクのポルシェの好みを話したことがありますが、空冷はもちろんとして、水冷でもGT1クランクケースという空冷時代から引き継いできた伝統の縦割りクランクエンジンを搭載するモデルなんです。
具体的には997のGT3と呼ばれるNAエンジンと997ターボの直噴になる前の前期型になります。
そもそもGT1クランクは空冷時代から連綿と続き、90年代後半にルマンのGT1カテゴリーを狙って製作された水冷ツインターボが積んだエンジンという事でポルシェの特別なエンジンの象徴です。
そして空冷時代にいろいろとお世話になったメカさんから、GT1クランクならエンジンはオーバーホールできるけど、これ意外はエンジンは載せ替えになると言われましたことも大きい。
それが直噴化になってからはRSもターボもベースは同じで、つまるところ先ほどのメカさんの話では理由はコストダウンの一言のようです。
余談ですが、BMWも直噴になってからコストの掛かるツインターボをやめてツインスクロールというややこしい名前のシングルターボになってコストダウンを図りました。これはアルピナが最後まで古いツインターボのエンジンを使っていたことからも推測できます。
ポルシェは販売されたクルマの残存率(生存率というべきかもしれません)が非常に高いと言われています。
これは車そのものの信頼性が高いことはもちろんですが、いまでも空冷時代のパーツの供給が継続して行われていることが大きいと思います。
ただ、それも、エンジンが使い捨て?となってしまう現在のポルシェでは、残存率は今後低下していくことは避けられないと考えます。
もうひとつは生産台数というか販売台数からも言えます。
M-HOUSEのブログによると、2006年までの日本でのポルシェの販売台数はミツワ時代からトータルして5万台ほど(40年ほどで)とありました。
今は年間5000台を超える会社(大衆車のルノーより多い)ですので、おそらく10年で5万台というすごいペースで台数が増えていることが想像できます。
実際わが家の周りではBMWはもちろんポルシェでスーバーに買い物に来るのもよくみます。
このあたり、必死でブランドイメージを作り上げている一方、台数が増えることによる大衆化とのせめぎあいも出て来るのではと思います。(なんでもそうですけど需要と供給の原則が崩れるときがきます)
誤解がないように書いたつもりですが、ポルシェが大好きですがなぜかワクワクしないのも本音なんです。
いいクルマとほしい車は必ずしも同じではない。えらそうなことを書きましたが、所詮趣味の世界での価値観ですからこのあたりは好みということでご理解ください。