スモールトークは以前NAVIに連載されていた自動車がテーマのエッセイです。
昔の男はオレンジ色のTVRタスカンに乗って現れた。会いたくなんかなかった。ただどうしてもその車が見たかった。以来、男は次から次へと新しい車に乗ってやってくるようになった。ジャガー、クライスラー、サーブ、アストンマーティン、アルファロメオ…。
主人公は「ゆうこ」という油絵をかくクルマ好きの30代の女性、そして彼女の元カレがゆうこのもとにいろんなクルマで乗り付けてくるというクルマがテーマのショートストーリーの本です。
クルマ好きの女性もたくさん知っていますが、残念ながらみなさんATばっかり。でも主人公のゆうこの愛車はAlfa 145というMT女子というのがなかなか素敵でした。
「おまえマニュアル運転できるの?」
「バカ、マニュアルなんて運転出来ないほうが怠慢じゃん」
「私さあ、AT免許だけで男ふったことがある」
なんて会話がなかなかツウカイ。
文庫本で438円なので、広告ばかりの自動車雑誌より楽しめます。
さてさて、MT車そのものが絶滅危惧種だから、女性でMTが好きというのは砂漠の中で落としものを探すくらいむずかしいかもしれない。
古いMG(もちろんMT)に乗るケイト・モス。こんな女性ならイチコロかも知れない。