連休最後の日曜日、神戸のお店で911 GT3 CSを見てきました。
連休前に、erthgallery のTさんから以前話していたポルシェが入ってきたと電話がありました。
お目当てのクルマはポルシェの水冷最初のモデル996の前期型GT3のクラブスポーツです。
以前ポルシェについての考察で書きましたが、ボクにとってのポルシェはやっぱり911で、フェルナンドポルシェの思想が息づいている空冷モデルが好みです。(サイズ感なども含めて、新しくなればなるほどポルシェらしさが薄まっていると思います)
厳密には993からヴィーデキングによる効率化が始まり、996から水冷化となり空冷エンジンに終止符をうちました。
しかしながら、一部の911(996、997のGT3、そしてGT2と997のターボの前期型)は空冷時代のGT1クランクケースを採用しており、水冷化となったエンジンでも空冷時代のエンジンフィーリングが残っていました。
997後期からはすべての911が直噴化となり、さらに991の後期型からはダウンサイジングターボ化され、ポルシェも効率化の前に大きく様変わりしています。
そんなわけで、earthの社長とTさんにはGT1クランクケースのモデルの希望を伝えていました。
さてお目当ての996 GT3ですが、新車並行の2オーナー(実際は1オーナーに近いです)、距離は2万㌔代という非常にコンディションの良いクルマでした。
元オーナーさんはearthさんの常連さんで、実はクリゴルの前オーナーさんです。
さてこのクルマ、996GT3でもストリートとは全く違う内装です。
RECAROのフルバケはもちろん、ロールバーが後部座席に加えて、Aピラーまでしっかりと入っている超ハードコアバージョンです。
エンジンをかけてみると、今の直噴フラット6とは全く別物です。
今の991ではエンジンは完全にカバーでおおわれていて、補機類すら見えませんが(ケイマンやボクスターではエンジンの存在すらわからない)、空冷のファンシュラウドこそありませんがなかなか精悍な面構えです。
そして、サウンドも空冷エンジン以上に空冷チックな音を奏でてくれます。
今時のポルシェは直噴エンジの静けさをスポーツエグゾーストというギミックで無理やり作った音ですが、この空冷ブロックのエンジンは紛れもなくポルシェならではのメカニカルサウンドが心地良く響いていました。
さすがにこれだけコンディションが良いとお値段もすごくて、完全にボクの思っている996のイメージではありません。
個人的にはポルシェは先物商品のような投機的な値段の上がり方をしていると思っています。
996 GT3も以前は不人気だったのですが、ここに来て高騰してきました。
予算もありますが、ポルシェの中古車はかなり割高感を感じます。
社長と話していて、空冷もじつはすこし値下がり傾向とのこと。
また50をすぎてこの個体はかなりハードコアなこと、そして空冷も含めてちょっと相場に変化がでていることからも、なかなかすぐに踏み切れずというのが初見でした。
いまさらながら、ポルシェを考えるときサマーイエローの993カレラ4 3.8Lが忘れられません。
いずれにしても、いろんな経験をしての終のクルマえらびは楽しくもあり、悩ましくもありです。
いやーそれにしてもこの個体、素晴らしかったです。
おまけ
ボクのあとに入庫していたアルピナロードスターS(オーナーさんは知り合いです)は、これまたボクの知ってるアルピナ大好きな方に無事にご納車されたとのことです。
こういうふうにいいクルマをちゃんと引き継ぐことのできるクルマやさんなんだな、と人さまのクルマながらうれしくなりました。