3月も中旬をすぎ、今年も夙川に桜の季節がやって来ました。
近くの夙川公園は日本の桜百選にも選ばれている桜の名所で、夙川沿いに3kmにわたり両岸をソメイヨシノがおおいつくします。
ここ数日の暖かさで、ようやくつぼみが膨らみだしました。
ボクがこの街に来たのは1994年、その半年後の1月に阪神大震災に被災しました。
当時住んでいたのは、いまよりもかなり夙川の上流のほうでしたが、マンションは半壊で3ヶ月近くライフラインが途絶えた状態でした。
そして、東灘に会った会社はビルがほぼ全壊で、真冬の寒い中自転車で3時間位かかって会社の整理を行ったり、近くの御影公会堂や御影小学校でボランティアをする毎日をすごしました。
そんな復興と言うことばすら出ないような状況でしたが、春になるとブルーシートで作ったテントでうめつくされた公園や河原にいつもと同じように桜の花が咲きました。
あんなにひどい地震の被害だったのに、桜の花はいつもとかわらず力強く咲いたのです。
あの時の光景は今でも強くボクの心に焼き付いていて、以来、桜が一番好きな花になりました。
そしてボクにとっての桜の印象はブルーシートの青色と桜のピンク色のコントラストなんです。
この時の経験が影響しているのかもしれませんが、震災以降桜の木の下でお花見というものをやっていません。
ただただ、今年も桜の花が咲いてよかったと。
そして、毎年桜の花を見るまではどうも仕事もプライベートもしっくりと来ないような気がするのです。
実は会社勤めをやめるきっかけになったのも、震災で人生観が大きく変わったからで、この街でくらして行くことを決め転勤も拒みました。
ですので、夙川の桜はボクにとても身近なものですが、特別なものでもあります。
あれから21年目の春、毎年見てきた夙川の桜の記録を残してみようと思います。
2 コメント
こんばんは
桜、それぞれに万感の思いがあるものですね
美しく咲き、儚く散る。それが良いのかもしれません
忘れられない記憶ですね。毎年綺麗な花を咲かせましょう!
GONさん コメントありがとうございます。
こんな脳天気なボクにも大きな転機でありました。
書ききれないような思いがこみ上げてきます。
高校を出たばかりの女子社員が生き埋めになったり、定年間近の先輩が朝散歩中に石垣の下敷きになってなくなりました。
赤いボルボは家族の思い出もたくさんでしたが、震災直後に瓦礫の中を走り回って、たくさんの人を病院に運んだりとかした思い出もあります。
神戸の街は全く綺麗になりましたが、何年たってもやっぱり忘れることが出来ないですね。
あの時は何もいらないと思ったのに、ずいぶんわがままにもどってしまってます(苦笑)。