最後のハイドロ・シトロエン C5

さてさて、もうお分かりかもしれませんが、DS3のあとがまに座ったのは、すでに4年前にディスコンとなっているシトロエンC5ツアラー(C5X7)です。

最後のハイドロと書きましたが、正確にはハイドラクティブⅢという最終形のハイドロシステム(空気と液体、正確には窒素とオイル)のサスペンションを装備したシトロエンです。

かれこれ4台のフランス車を乗り継いだ身としては、やはりハイドロサスペンションを味わわずにはいられないということで、4枚ドアの車選びの最右翼としてハイドロ(ハイドラクティブ)サスペンションを装備したシトロエンが浮上しました。

そして、当初最も欲しかったのがC6というビッグサルーンのシトロエンのフラッグシップ(もちろんこちらも中古車でしか手に入らない)でした。

価格的にもかなりこなれてきていたのですが、神戸の時に交流のあったシトロエンの店長からV6はエンジンが重いのでサスペンションに負担がかかっているから、かなり覚悟した方がいいと言われました。

実際3.0V6と今回の1.6L直4のプリンスエンジンでは100kgの差。

これが、フロントサスペンションとブッシュのゴムに負担となっていることは間違いありません。

ただでさえ、10年以上経つおフランスのサルーンはある程度の整備費用を見ておく必要があり、その中でも一番の売りであるサスペンションへの不安はかなり大きなものでした。

そんなわけで、最後のハイドロと言われるC5(中でもツアラー)を探しだしたのでした。

ただ、C5のツアラーも中古市場ででているのは、やはり初期のV6と2Lエンジンが多く、なかなか1.6Lでピンと来るものがありませんでした。

そもそも、同じボディとサスペンションながら、1.6LエンジンのC5はかなり中古車価格も高めで、いざ探すとなるとなかなかこれという個体に巡りあえずにいましした。

そんな中、見つけたのが13万キロを超えたワンオーナーのC5ツアラーでした。

昔のボクなら絶対に買わないだろうなというクルマですが、ワンオーナーでばっちりとディーラーで整備をされていて、またきっちりとパーツ交換の履歴なども残っていました。

距離が短くても、メンテナンスが行き届いていないより、メンテナンス記録からかなりクルマのこと(シトロエンのこと)が分かったオーナー(ワンオーナー)のもとにいたに違いないという期待(と確信)で決めたというのが購入の経緯です。

そして何より、空冷ポルシェやアルピナのメンテナンスを通じて、クルマの整備のポイントが良くわかっているということで、これまでの授業料が役に立ったのかな?ということとしておきましょう。

そんなわけで、初年度から9年目、13万キロオーバーのボクのC5を少しご紹介したいと思います。

ボディサイズは、全長4.85m、全幅1.86mでフットプリントはDセグメントというよりは1クラス上のエグメントに近い(BMWの5シリーズが全長4.95m、全幅1.86m)。

サイドビューは、これだけサイズに余裕があると、のびやかなデザイン。

また、長いフロントオーバーハングとなだらかに下がるルーフライン、そして短いリアオーバーハングと長いホイールベースが、往年のDSから続くシトロエンらしいプロポーション。

こうして写真にとってみると、古典的なクルマの良さを感じるデザインだと思うが、実車はもっと伸びやかなデザインに感じる。

ボディカラーはブラスクというダークブルーだが、光の変化で濃いグレーにも見える。

インテリアは、さすがフランス車というか、さすがシトロエン。

マチナル(ポルトガル語で朝という意味らしい)というライトグレーとブラックのツートンの明るいカラーリングはツーリングだけの特権である大きなグラス ルーフと合わせてとっても開放的で、ドイツ車には無いもの。

そしてなによりシートの出来が素晴らしい。

また別の機会にハイドラクティブⅢについて書きたいと思うが、サスペンションとシートの両方を合わせて、シトロエンの乗り味(これは金属バネのシトロエンも含めて)となっていると(3台のシトロエンの経験を通じて)個人的には思うとことである。

そして、メーターはちょっと飛行機みたいで、ハンドルはセンターパッドが固定という凝りよう。

さてさて、こんなに大きなボディサイズのステーションワゴンであるシトロエンC5ツアラーだが、とっても運転がし易い。

FFでV6エンジンを横置きレイアウトにするため設計されているため、回転半径は6mを超えて大きいが、運転しているとボディサイズを感じないのである。

車幅とタイヤの位置がとてもわかり易く、道路の真ん中をきれいに走る事ができるし、ワインディングでもとてもコントロールがし易い。

一言で言うと、数キロ走っただけで馴染んでしまった。

そんなシトロエンC5も7月の納車から1500kmを走り、運良く今のところ機関は快調である。

今月は最初のメンテナンスである、タイヤの交換を予定しているが、それを終えてハイドラクティブⅢサスペンションの評価をしてみたいと思う。

そんなわけで、9年13万キロオーバーのおフランスの中古車にとても満足している。

 


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