15万㌔を目前に、シトロエンC5ツアラーのスフィアを交換しました。
久しぶりのブログは、クルマの話です。
2019年8月に我が家にやってきた、シトロエンC5ツアラーですが、地道なメンテナンスで絶好調。。。
と言いたいところですが、昨年末の12ヶ月点検で、右のサスシリンダーのオイルにじみを指摘されました。
ご存知の方も多いと思いますが、最後のハイドロシトロエンのサスペンションにはスプリングがありません。
4本のサスペンションはシリンダー形状で、中にハイドロオイルが充填されています。
そのシリンダーからじわりとオイルが滲んでいるとの指摘です。
迷うことなく、シリンダーの交換を依頼、そして今年の車検時に交換を検討しようと考えていた、ハイドロのスフィアの交換もこの機会に同時に行うこととしました。
さて、ハイドロサスペンション(我が家のC5はその最終形のハイドラクティブⅢ+という形式)は、空気と水でサスを制御といわれますが、正式には空気ではなく窒素ガス、そして水はハイドロオイルで制御を行っています。
今回交換したスフィアは文字通り球体を意味していて、内部は窒素ガスを膜(ダイヤフラム)で密閉したものです。
このスフィアの膜をハイドロオイルが押して、窒素ガスを圧縮、そいてダンピングをおこなうというのが構造。
ですので、ハイドロオイルの漏れさえなければ、本来永遠に乗り心地を新車の状態でキープするのですが、スフィアの膜が伸びたり、時にはオイルが窒素ガス部分に混入し結果として乗り味の悪化を招くのです。
ただ、以前のハイドロ時代の緑色のスフィアに比べて、最終のハイドラクティブのスフィアは欧州カヤバ製で、5年または20万㌔の保証とのことで、距離的にはまだ余裕がありました。
しかしながら、スフィアさえ交換すれば、新車時点に近い乗り味になるということも期待されるので、この機会に交換をすることにしました。
さて、C5には合計7つのスフィアが搭載されています。それぞれのサスペンションチューブの合計4つに加えて、アディショナルスフィアというものが3つあります。
アディショナルスフィアはスポーツモード時とノーマル時の制御用の補完的なもので、通常はメインの4つで良いとのことで、今回は4つのスフィア交換を依頼。
しかしながら、国内在庫がなく、コロナでフランス本国がロックダウンで納期未定とのことで、12月にオーダーして2月末にようやく交換の運びとなりました。
もともとついていたスフィアと交換前のサスチュープ(右フロント)。
新しいものはややマットな感じでじたが、もちろん純正品です。
さて、少しだけハイドロについて解説です。
前後の4本のサスペンションをハイドロオイルの管が張り巡らせて、つないでいます。
そしてそのオイルの流量をハイドロポンプというもので制御しているのですが、車速、舵角、Gセンサーなどを電子制御しているとのことです。
まあ、難しいことを考えなくても、メカサスのクルマとの違いがすぐにわかります。
ではエアサスとどう違うの?ということになりますが、エアサスはコイルばねの代わりに空気ばねという発想ですが、やはりダンパーはありますよね。
C5の乗り味というよりは挙動は、とにかくロール方向はもちろんですが、前後のピッチングも4つのサスペンションを一つのオイル系統でコントロールしているので、極めてフラットです。
つまり、4つのタイヤが常に路面との適切な関係を維持しているので、ハンドリングはもとより、ブレーキングに関しても本当に安定しているのです。(確か以前カーグラのダイナミックセーフティーテストで、清水和夫さんが絶賛していました)
一度アンチロックがかかるくらいの急ブレーキを掛けたことがあるのですが、前席はもちろん後席の母も全く普通だったのが印象に残ってます。
さて、C5に乗るようになって、マクラーレンのアクティブサスペンションもこのアイデアと同じだと気づきました。
フラットな乗り心地、運動性能を高めるためにサスを固めることなく、4つのサスの変化を連動して制御することでタイヤを常に路面と適切にコントロール(接地を最適化し、タイヤの性能を引き出す方向)しソフトな乗り心地を実現しています。
さてさて、今回のメンテナンス費用はサスチュープ1本とスフィア4個の交換は工賃込みで16.2万円ほどで、普通車のショック4本変えるくらいの費用で収まりました。
交換後のふぃーりんぐですが、大きな車体を早いスピードで切り返した時のおつりはほぼなくなり、最初固いかなと思った乗り味も2ヶ月ほどでバッチリ馴染んできました。
そんなわけで、曲がる、止まるに関してはとっても満足しています。
あとは、エンジンがどのくらいトラブルなく持つかですが、そればかりは神頼みとオイル頼みかな?