恋の罪 解釈


出演:石原さとみ, 西野七瀬, 成田凌, 桜井ユキ, 井之脇海, 金澤美穂, 真矢ミキ, 迫田孝也, 池田鉄洋, でんでん, 田中圭, 小林隆, 大後寿々花. |

どんなによかったか, あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるか 「雄」さんは、「『恋の罪』はそうした三人の女の「言葉が言葉にならない世界」への旅をめぐるドラマ」とおっしゃっているところ、クマネズミの方は、「本当の言葉はね、カラダを持っているの」と言う尾沢助教授と一緒になって、菊池いずみも、「本当の言葉」、「カラダ」(=真の意味)を求めに行くのではないかと思いました。 映画『恋の罪』アンジャッシュ児島さんの役柄は? 児島さんが演じたのは”ショウジ”という男です。 水野さん演じる和子の夫、正男(二階堂智)の直属の後輩でありながら和子と不倫関係にあります。 2分たっても再生されない場合はF5を押すか、ページをリロードしてくだい。. この記事では、「固定費」と「変動費」の違いを分かりやすく説明していきます。 ただ、これは無を言わせぬ作品。 久しぶりにまとまった時間暇になったので、最近ご無沙汰だったhuluを漁ってみると、なんと園子温監督作品が載ってるじゃないですか。, 確認できたのは「冷たい熱帯魚」「恋の罪」「ちゃんと伝える」「みんな!エスパーだよ!」でした。, 昨日は物凄い嵐だったので、雨のシーンが印象的な「恋の罪」をチョイス。久しぶりに観ましたがやっぱり破壊力抜群ですね。, あくまでベースで、事件のエッセンスを抜き取って園子温色に染めたという感じですかね(いつもどおりですね), 東電で幹部を務めるエリートOL(幹部なのにOLって呼び名なんか違和感あるな…)が、夜は渋谷のラブホテル街である円山町で1回数千円単位で売春を行い、果ては売春場所として使っていたボロアパートで殺されてしまいます。, エリートの裏の顔が娼婦というわかりやすいゴシップ的なネタのせいで当時かなりセンセーショナルに報じられた事件みたいです(私は当時小学生だったのですが全然知りませんでした…)。, この事件から、園監督は人の本質的な影を感じ取り、映画に落とし込んだのではないかと思います。, 渋谷・円山町の取り壊し寸前の廃墟アパートで、上半身と下半身に分断され、それぞれセーラー服を着たマネキンと赤いスリップドレスを着たマネキンに接合された女性の死体が発見される。, 事件を担当する女刑事和子は、捜査を進めるうち、人気小説家菊池由紀夫の妻・いずみと、東都大学文学部助教授の美津子にたどり着くが…, とはいえ、実際は神楽坂恵演じる菊池いずみの視点がストーリーの大半を占めており、モノローグ(独白)もいずみしか挿入されてないので、菊池いずみを主軸において、「恋の罪」を読み解いていきたいと思います。, 冒頭は和子の不倫シーンから始まります(絶対に入れる必要無かったと思われる水野美紀のフルヌードがあります。), 厳密に言うとこの時点では和子は夫も子供もいるという設定は全く分からないため、唐突に裏の顔を見せられ、むしろこれが裏の顔だと気付けませんでした。, その後に、男勝りな刑事としての働きぶりやごくごく普通の一般的な家庭で妻であり母でもある和子の一面を見せられても何かとってつけたような感じがして…, 不倫相手の男(アンジャッシュの児島が演じてました。本物も変態なんじゃないかと思えるぐらい物凄いハマってました)から度々家族に不倫がバレそうな際どい要求をされても素直に受け入れちゃうところとか、表と裏の顔のギャップを狙ってるんでしょうけど、ぶっちゃけそんなにギャップ感じないなあと思いました。, その女は町中で突然刃物で自分を刺し自殺し、和子はたまたまその場に居合わせただけなのですが、自殺した女の最後の願いを聞きいれました。, その女の最後の願いとは、夫に自分の浮気を知られたくないから携帯を壊してほしいというもの…, しかも直前にデパートで赤いドレスを買っており、「あの人に着てるとこ見せたかった…」って…見せればよかったじゃん…, ぶっちゃけブサイクな女優さんだったので私にとっては何一つグッとくるものがないエピソードだったのですが、最期の瞬間に立ち会ってしまった和子にはなにか残るものがあったようです。, その女が執拗に和子に幻影としてまとわりつくのですが、何でそんなことになってるのか私にはよくわかりませんでした。, 話を戻します。和子の不倫の真っ只中に事件の報せが入り、和子は急いで渋谷の円山町へ。, そこにはあらすじで描いたようなとんでもなく猟奇的な死体が。死体の傍の壁には血で大きく書かれた「城」。, ここでミステリ的な要素がほんのり提示され、和子もミステリ部分を担当するような役どころだと思うのですが、そんなの物語全般からしたら1%程度で全然重要ではありません。しかも一応捜査はしていますが全然進展せず、美津子の母からの連絡で全部片付くという何ともあっさりとした解決を見せます。, 由紀夫は相当の潔癖症のようで、紅茶の入れ方から石鹸の種類、スリッパの位置までそうとうなこだわりがあるようなのですが、いずみはその無駄なこだわり全てに応え、観ているこっち側が疲れるほどです。, (この映画を観た女性なら、仕事から帰ってきた由紀夫が玄関に置かれたスリッパを見て「うん、良い位置だね」って言った瞬間に「うへぇ…(;´Д`)」ってなったと思います), 由紀夫は小説家なのに朝7時に家を出て夜21時に帰宅し、ほとんど家にいることがありません。, 由紀夫に尽くすことが幸せだと思っていたいずみは、少しずつ、自分の中で鬱屈とした不安が募っていることにきづきます。, その小さな気づきが後の事件に発展していったことを考えると、やっぱり本質的にはそんな奇特な話でもないんじゃないかあと思います。, 初登場時は娼婦の姿でした。格好が物凄くハマっているのですが、実は昼間は東都大学(多分東大的な?)で助教授を勤める家柄も良いお嬢さんだったようです。, いずみのメンター的な役割を負う美津子ですが、美津子自身もなにも答えが見いだせないままただただ娼婦をくりかえしていて、尤もらしい講釈を垂れていたものの私からしたら美津子もいずみも大して変わりがないように感じました。, それでも美津子はある理由からいずみを自分の世界へ引きずり込もうと、自らメンター役を買って出たのかなと…, 美津子のセリフが物語を理解するうえでかなり重要となるので、長くなりますが一生懸命書き起こしてみたいと思います。, 「何かがしたい。30歳を前にそればかり考えている。したい。無性にしたい。何かがしたい。このどうしようもない気持ちを、何とか鎮めたい。夫への愛だけではどうしようもない自分がいるのがとてつもなく嫌だ。」, そんな思いに突き動かされ、いずみはとりあえずスーパーの試食販売のパートを始めます。, そこでお客として寄ってきた女性に突然モデルをやってみないかと誘われ、不審に思いながらもいずみは彼女の誘いに乗ってしまいます。, まあお察しの通りモデルではなく実はAV撮影だったのですが、その撮影現場で周囲から「可愛い」「綺麗」と褒めちぎられ、普段の生活ではまず味わえない刺激的な体験にいずみは溺れます。, 「いらっしゃいませ。いかがですか。試食してみませんか。美味しいですよ」と、試食販売のウリ文句を連呼します。本当にしつこいくらい。最初は自分を鼓舞するようにポージングしながら自分に向かって言い続けていたのが、徐々に他者に向けて発信しているような素振りに変わります。, 過剰に抑圧されていたいずみの感情の爆発は凄まじく、いやいくらなんでも…という描写が続きます。(詳しくは映画をどうぞ), いずみは普段はブラウス+カーディガン+膝丈スカートというステレオタイプな上品若奥様な服装を好み、化粧も薄かったのですが、開放的になった彼女は派手な服装にケバいメイクをしてナンパされる為に渋谷を闊歩します。, 「皆、城の周りをぐるぐるさまよってるんだ。城にたどり着きたいのに、まだだれも観たことがない。だからああやって城に辿り着こうと、ぐるぐるさまよってるんだ」, このカオルの言葉から、読んだことのある人ならすぐカフカの「城」のことかな、と気付けます。, 本質的に描きたいところは全然違うような気がするんですが、構造はなぞっているのかなあと思います。, 「城」は未完の長編小説で、とある城に雇われた測量士Kが、何故か城に入ることを許されず、なんとかして城に入ろうとするも様々な要因に阻害され延々と城の周りにとどまっている、という話です。未完なので結末はわかりません。, いずみは美津子に、城とはカフカの城のことかと問いかけます。同時に夫がピュア過ぎてついていけないとも打ち明けます。, 「私の父もとってもピュアさんでした。でもピュアさんの城は本当の入り口じゃないんだよ。愛の出入口は別なのよ。」, 「確かに最初はカフカだったね。父に本を貰った。でもカフカじゃないの。父に教えてもらったの。城って言葉。」, 私はこのセリフを聞いても何を言いたいのかよくわからなかったのですが、いずみはグッと来たらしく、激しく美津子に助けを乞い、美津子が突き放してもつきまとい、美津子の売春現場にまでついていきます。, ある理由からいずみに対して思うところがあった美津子は、自分の大学の講義へいずみを招きます。, 言葉なんかおぼえるんじゃなかった言葉のない世界意味が意味にならない世界に生きてたらどんなによかったか, あなたが美しい言葉に復讐されてもそいつは ぼくとは無関係だきみが静かな意味に血を流したところでそいつも無関係だ, あなたのやさしい眼のなかにある涙きみの沈黙の舌からおちてくる痛苦ぼくたちの世界にもし言葉がなかったらぼくはただそれを眺めて立ち去るだろう, あなたの涙に 果実の核ほどの意味があるかきみの一滴の血に この世界の夕暮れのふるえるような夕焼けのひびきがあるか, 言葉なんかおぼえるんじゃなかった日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげでぼくはあなたの涙のなかに立ちどまるぼくはきみの血のなかにたったひとりで帰ってくる, 怒りや喜びの感情が湧いても「怒り」や「喜び」という言葉を知らなければ、自分が感じているものがなんなのか認識できません。, この詩自体の意味はよくわかりますが、この詩を元に展開される美津子の持論はなんだかよくわかりませんでした。(私の理解力が低いせいなのか…), 「うちはね、ものすごいハイレベルな大学だって言われてるけど、学生なんて私の言ってることの半分も理解してないわ。だって授業は言葉だけだもん。本物の言葉はね、一つ一つ、身体を持っているの。(いずみに舌を出すように促し)コレは舌よ。濡れているのはあなたの唾のせい。ほら、糸を引いた。舌。唾。糸。ね、言葉は皆、肉体を持っている。, 全ての単語は意味を持っているの。意味ってわかる?身体よ。言葉の意味って身体のことなのよ。」, 目から出た水ってことだったら人はだれも立ち止まらない。でも涙っていう言葉の意味を知ってしまったら、人は立ち止まる。涙も肉なのよ」, でもその愛という言葉も罪という言葉も身体を伴っていない。タダの意味の無い欠片に過ぎないの。今はね。でもそのうち、愛に身体ができる」, ここまでの美津子の持論にいずみは完全に心を打たれたようですが、私にとっては全然納得出来ないというか、論理破綻してるんじゃないかと思う節が多々あります。, 「城なのよ。なぜかと訊かれても、それに関して私今はなにか言いたくても言葉が身体を持たないの。私はいずみさんに、良い講義、良い解説ができないの。だから言葉の代わりにさっき身体で見せてあげたのよ。」, 「まだ言葉にからだがついてきてないよ。だから戸惑うの。そのうち、あなたが経験した分だけ言葉が身体もがなってくるから。自然にね。, 言ったでしょ。私はいずみさんがよくわかるって。それ、少しずつ一緒に言葉にしていきましょうよでも、暗号名は城よ。」, なぜかと訊かれても、それに関して私今はなにか言いたくても言葉が身体を持たないの。私はいずみさんに、良い講義、良い解説ができないの。だから言葉の代わりにさっき身体で見せてあげたのよ。, 美津子はまるでいずみより遥か先を行く存在のように見せていますが、実際は立ち位置的には同じです。, と物凄い形相で怒鳴るんですが、なんで売春でお金を得たら自分の名前に意味が出てくるんでしょうか…。, いずみはその言葉を素直に受け取り「このお金は私の記念碑」としていますが、え、AVで稼いだお金は…?あれは違うの…?違うとしたら何を以って別と捉えたの…?いずみも思考停止して全てを美津子に委ねている風にしか見えませんでした。, 父が亡くなった後、論理破綻した思考でしか自分を保てない、哀しい人生を送る美津子ですが、怖いものなしに見える彼女が唯一恐れているのが母親である志津です。, 美津子、カオル、いずみ、志津で会話をするシーンがあるのですが、由緒正しそうな屋敷で、品の良いテーブルを囲んで紅茶を志津は開口一番, いずみはきょとん(観客の気持ちを体現してる)。カオルは嬉々と売春の状況を語り、美津子は黙って微笑んでいます。, ただ本当に志津役の大方斐紗子さんの怪演が凄まじいのでこれ観るためだけにこの映画観ても良いと思えるぐらいです。個人的には「冷たい熱帯魚」のでんでんに匹敵するんではないかと思います。, そんな並々ならぬ存在感を放つ志津さんは、ユングで言うグレートマザー的な役割であり、全てを呑み込み物語に終止符を打ちました。, 2.美津子がチェンジを要求された客のホテルにいずみとカオルが向かう。その客とはなんと由紀夫だった, 4.由紀夫がデリヘル依頼してたこともショックなのに美津子の常連だという事実のダブルパンチでいずみはやけに。由紀夫からデリヘル代として金を要求(夫婦関係破綻。美津子の目的は達成), 5.美津子の思い通りの展開に。全ての目的を果たした美津子は円山町の廃墟アパートにいずみを連れ出す(カオルもついていく), 志津が出てきたら、屋敷だろうが廃墟アパートだろうが全く関係なく空気が変わりますね。「あたしの出番だね」は超怖かった。初めて観た時は鳥肌立ちました。本当に恐ろしい存在です。, 結局、美津子は父から女として愛されず、その代わりになる存在を見つけることもできず、言い訳がましい理論に縛り付けられたまま生涯を終えたのでした。, いずみは美津子を殺した後、精神崩壊したようで恐らく東北の場末の漁村みたいなところで娼婦をしていました。, 愛=自己となっていたので、愛を渇望しているのに与えられない状態は自己の存在意義が揺らぐレベルだったのでしょう。, 色々書いてみましたが、この映画に出てきた人物で、常軌を逸している美津子といずみも、平凡な家庭生活を送りながら際どい不倫を続ける和子も、一歩間違えればどんな女性も陥る可能性があるよ、ということなんでしょうが…, 多分、私がしっくりこない理由は、園子温監督が「男の幻想の中の女性」を「リアルな女性」として描いたつもりになってるところにあるんじゃないかなあと思います。, どれも男性の中の「こうだったらいいな」的な欲望が反映された女性像な気がするのですが…, 「そんな無理して女性を描こうとしなくていいので、「愛のむきだし」とか「冷たい熱帯魚」みたいな男目線の泥臭い傑作を作ってください」, mizuochachaさんは、はてなブログを使っています。あなたもはてなブログをはじめてみませんか?, Powered by Hatena Blog
ギルティ~この恋は罪ですか? 10話 最終回 動画 2020年8月6日 全て決着!彼女の幸せ願って… | 9tsu.net 鬼才・園子温監督の実話系シリーズ(そんなシリーズ知りませんけど(笑))です。1990年代に渋谷区円山町のラブホテル街で起きた実在の殺人事件にインスパイアされて創作した3人の女性た ... [Read More], » 『恋の罪』 [ラムの大通り] Tweet, はじめまして。

『冷たい熱帯魚』の園子温監督が1990年に起きた東電OL殺人事件にインスパイアされて制作した衝撃と官能の問題作だ。主人公となる3人の女性に先ごろ園監督との結婚が発表された神楽坂恵、『踊る大捜査線』シリーズの水野美紀、『凍える鏡』の冨樫真らをキャスティング。三者三様の表の顔と裏の顔をそれぞれの女優が見せる正に体当たりの演技に注目だ。... [Read More], 「ROMA ローマ」:やはり映画館で観よう!   #映画ローマ #ROMAローマ #アルフォンソ・キュアロン, NEW YEAR 2019 & 2018_BEST MOVIE (お気に入り洋画・日本映画). ただ、本作における田村隆一の詩を巡っては、当方の全くの理解不足を承知の上で、「雄」さんがおっしゃっていることにつき、誠につまらないコメントをさせていただければと思います。 映画『恋の罪』は2011年に公開された日本の映画です。 監督は「冷たい熱帯魚」「紀子の食卓」など衝撃的な描写で多くのコア . atOptions = { 'key' : 'cf40d82d6daf540834431ccbdb46aea8', 'format' : 'iframe', 'height' : 250, 'width' : 300, 'params' : {} }; document.write(' このエントリーをはてなブックマークに追加

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