営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由

9月29日に発売の「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由」を読んでみた。

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名作の続編が傑作とは限らない……。

というのは映画の定説ですが、自動車にもそれはあてはまります。
いや、むしろ、その傾向がどんどん増してきているのが現状なのです。
使うほどに道具として身体になじみ愛着が増す……というのが本来、クルマを買ったときに期待する状況です。
しかし、なんとなく真っ直ぐ走らない。運転していてなんか疲れるなどなどという症状を持っていてつきあいづらい新車が増えているのです。
それも、その状況は国産車に限ったことではなく、走りが自慢の欧州メーカーの一部車種でも散見されるようなので深刻です。

なぜ、そういう状況が生まれているのかを解説しつつ、では、どうやってクルマを選べばいいのか? を指南するのが本書です。
一見、突飛なタイトルにもそのヒントは隠されています。

サスペンションの神様の異名をとるエンジニア國政久郎さんと、モータージャーナリスト森慶太さんの問答で本文は進みます。
森さんがボケたり突っ込んだりしつつ、試乗するときのコツやクルマのあるべき姿を、できるだけ難しい専門用語を使わずに説明していきます。
カーマニアだけでなく、家族と快適にクルマ旅行をしたいお父さん、お母さんにも読んでいただきたい本です。
さらにいえば日本経済を牽引する、自動車メーカーの開発関係の皆さまにも読んでいただきたいという野望を秘めております。

 

最近のクルマはなんとなくまっすぐ走らないな〜と思うことが時々あったが、営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由を読むとなるほどということがたくさんあった。

電動パワーステアリングが主流になってきて、車庫入れや普段の取り回しは楽になっているが、クルマにとってほとんどの時間をしめる「まっすぐ」の感覚がどうも曖昧なクルマが多い気がしていた。

具体的には、本に書いてある「N感」「微舵」という領域と、曲がり始めの感覚が曖昧なので変な力が入ってしまったり、ハンドルの切る量を修正したりすることが多い。

真っ直ぐな道でハンドルから手を離しても、クルマはまっすぐ走るようにできているのだけど、なんとなく手を離すのがこわいクルマがある。

普段試乗とかでちょっと乗るだけではクルマの出来なんか判断できるわけがないけど、こういうところがダメなクルマはボクは少なくともいいクルマとは思わない。

ブレーキも自動車評論家なんかは「タッチ」という曖昧な表現を使っていることがあるけど、少なくとも感覚的に好みというか、これもダメなのは経験的にわかる。

そんなわけで、この本は「真っ直ぐ走る」「止める」「発信ー加速/減速」「曲がる」「乗り心地」というクルマの基本的な性能について何がいいのか、そして何がダメなのかをわかりやすくまとめてくれいてる。

個人的には2000年位でクルマの基本的な部分はほぼ完成していて、そこから先(特に2010年以降)はほとんど電気的な仕掛けの進化だと思う。

そして、電気のウエイトが大きくなりすぎて、このキホンが疎かになっているクルマ(コストダウンというしがらみで)が多いのではと思っていた。

カタログスペックではわからないクルマの見方の参考になる一冊です。

 


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