クルマのチカラ

クルマに乗るということは、お金以上に大切なものを手に入れることができるんだとあらためて感じた。

先週の日曜日、せせらぎツーリングの翌日伊勢の実家に立ち寄りました。

以前「男がクルマをおりるとき」で父のことを少しかきましたが、介護の施設の見学に母と3人で出かけました。

この日は調子がよく、薬があっているのか足取りもずいぶんしっかりしていて、1時間ほどの車での移動も問題なさそうでした。

国道をはなれて山間の温泉地に向かう道に入った時に、「この道覚えてるな」といい、「確か次は右カーブで、その後にキツイ坂道がある」としっかりとした口調で話しだしました。

母が後部座席から「よくIさん夫婦と一緒に温泉行ったね」といい、いろいろな思い出を話しているのが聞こえてきました。

記憶というのはふしぎなもので、何かのきっかけでいろいろなものが連なって鮮明に思い出されるようです。

そしてきっかけはなんであれ、地方都市での移動には必ず車が必要で、決してスピードを出さないけどクルマは父の唯一の楽しみでした。

運転が好きだったかどうかは覚えていないけど、若い時にはBMWのオートバイに乗っていたと言う話を聞いたこともあるのでメカ好きだったんだと思います。

そんな父もクルマをおりてから早1年、でも1年前まで運転していたというのが想像出来ないくらい老いを感じます。

だんだんクルマで出かけるのもおっくうのなってきたようですが、それでも助手席に乗せて走っていると、いい車だと言って細かなことを褒めてくれます。

そんな父が一番好きなのがポルシェで、今でも後ろから排気音が聞こえるとポルシェやなとしっかりわかるみたいです。

そして通り過ぎる後ろ姿をみて、いいデザインやと必ずつぶやきます。特に911のリアの眺めがお気に入りのようです。

長い時間が経ってもひと目でポルシェとわかるルックスと、フラット6のサウンドは伝統的に受け継がれているのだと思いました。

前にも書きましたが、ボクは白い964に父を一度も乗せてあげる事ができませんでした。

アルピナロードスターSはオープンにして一緒に走りましたが、父が大好きだった911に乗せてあげることが出来なかったのが今でも心残りです。

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4 コメント
  1. 2015年11月13日
  2. 2015年11月13日
  3. 2015年11月15日
  4. 2015年11月15日

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